̄│石│山│本│願│寺│ ̄

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1: 名無しさん 20/07/07(火)21:50:11 ID:7Zm
天正四四八年 文月漆日

 七夕である。通例と云うほどの物ではないが、しとしとと降りしきる雨であった。
 逢瀬を邪魔されたくはないのだ。雲で隠し、雨で見上げることを許さず。故に七夕は、雨が多い。
 然し此れでは自慢の火薬が使えぬ。織田城に攻め込まんとする本願寺一行が将、高津は忌々しく空を見る。火薬は要らぬ、私が行こう。応えたのは素荒守大兄。
 七夕の悪夢とやらも私には効かず。悪夢を終わらせようぞ。織田軍との再戦が、静かに静かに始まろうとしていた。

 攻め入ると待ち構えていたのは夜の凪のようだと謳われる柳であった。此の男、本願寺の攻めには暖簾に腕押し、全く通じはしない。僧兵らが苦手とする先鋒である。
 だが其れは素荒守大兄とて同じ事。狭き陣を駆け回り、柳、素荒守両先鋒が僅かな戦火をも許さぬ見事な守護にて戦線を制する。
 然し第六戦線であった。水軍指揮村上が此の柳に漸く一撃を加えると、続き歌術使い西浦、静かに子守唄を囁く。此れには柳とて膝を屈する以外にない。然し尚も辛々、第七戦線迄を唯一人で走り抜いた。

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