カテゴリー: 郡司裕也

もっとも、この指揮官の発想に郡司本人は驚くばかり。というのも二塁はプロではもちろん、幼少期を含めて一度も試合で守ったことがないからだ。   17日の本拠地戦前から2日続けて試合前に二塁守備練習を行った本人にその手応えを聞くと「手応え？ いやいや、僕には違和感しかない」と苦笑いを浮かべ、複雑な胸中を明かす。  「（二塁は）専門性の高いポジションですから。そこが一番不安です。動きが全然わかんないんで。本当に（二塁）起用はあるんですか。とりあえず一生懸命やるだけですが…」

背後では、二塁の守備練習を指示したとみられる新庄剛志監督が、２人の動きに目を光らせた。郡司は「林ヘッドからは『いろんなポジションをやるのが、ファイターズあるあるだ』と言われた。簡単にできるポジションではないけど、頑張ります」と語った。

キャリアの多くを過ごしてきた中日２軍の本拠地・ナゴヤ球場で、中村紀洋２軍打撃コーチから受けた教えが、この一発の源になった。郡司は「ノリさんには『長打を打つ力があるんだから、狙えるところでは狙え』と何度も言われた」と言う。安易に当てにいくな。振り切れ―。フルスイングを旨とした中村コーチらしい助言。今も郡司にはこの教えが息づいている。

もがき続けた日々が新天地で結実した。２回、日本ハム・郡司裕也捕手はベテラン和田のチェンジアップを左翼ポール際へ技ありで運んだ。「技術的には何も変えていない。ドラゴンズ時代に受けた指導と経験が、ちょっと遅くはなったけど、生きてきたのかな」。３年半を過ごした中日ではかなわなかった「プロ初本塁打」が、移籍４試合目にして飛び出した。  

キャリアの多くを過ごしてきた中日２軍の本拠地・ナゴヤ球場で、中村紀洋２軍打撃コーチから受けた教えが、この一発の源になった。郡司は「ノリさんには『長打を打つ力があるんだから、狙えるところでは狙え』と何度も言われた」と言う。安易に当てにいくな。振り切れ―。フルスイングを旨とした中村コーチらしい助言。今も郡司にはこの教えが息づいている。