カテゴリー: ビッグボス・新庄監督

 ただ、けが人が続出していながら、食らいつく戦いには手応え。この日も３点ビハインドを追いつく粘りはみせた。「そんなに力の差がすごい離れているという感じはしないですけどね」と振り返った。  

この日、楽天が敗れたため、勝てばゲーム差なしで単独５位に上がるが、またしても逃した。だが、後ろ向きな言葉はない。「いるメンバーで戦って、いい試合ができているのでね。ガッとみんなが揃ってくれば、面白い戦いになると思う」とうなずいた。

新庄監督が現役時代から通い続け「世界一おいしい」と絶賛する旭川のカレー店「クレイジースパイス」が、この日からエスコンフィールドに出店。これを記念してカレー１００食を報道陣に差し入れた。

試合後、新庄監督はこの日、開幕から全試合で４番をつとめてきた野村を起用しなかったことについて「今日は野村君に関しては、ずっと出てたからちょうどいいタイミングで休ませようかと。明後日はまた４番でいってもらおうと思う」と、説明した。

逆転を許しながらも、追いついた打線に、新庄監督は「粘りが出てきましたよね。負けましたけど」と評価。その一方、三回途中、３失点でＫＯされた先発の上原には苦言。「上原君はフォアボールが多い。ストライク取りいって打たれたら仕方ないから。フォアボールはだけはね…。いいもの持っているんですけどね…もうちょっとピリっとしてほしい」とポテンシャルの高さを認めているだけに、ふがいない投球に表情を曇らせた。

 試合後、新庄監督は「救心、救心！」とおどけながら登場。「今日といい、昨日といいね…。でも、こういう試合を続けてね。今日みたいな勝ちで、昨日も負けはしましたけど、緊張感ある特に守りは成長につながる」と、接戦が続く試合展開に手応えを見せた。  

試合前には、抑えの石川が左内転筋付着部肉離れで、清宮が左腹斜筋損傷で出場登録を抹消された。野手では加藤豪、石井、清宮、投手ではポンセ、金村、石川と投打の主力が次々と故障離脱していく窮状。「（若手には）チャンス、チャンス。本当にチャンスだと思います」と言いながら「けど、多すぎるね…」と本音もポツリ。その上で「言い訳にはなりませんけど、これをね。こういう状況で今日も勝てたし。明日も勝って、俺たちがいる、いますよっていうところね見せて欲しいです」と、ピンチでの若手の台頭を求めた。

最下位脱出はならなかった。１点リードの九回は田中正義が抑えで登板したが、１死も奪えず。新庄監督は「なんちゅうゲーム。悔しいけどね…。ゲーム的には面白かったですけどね…」と言った後、沈黙。さすがにショックを隠せず、しばらく絶句した。