カテゴリー: ビッグボス・新庄監督

中畑氏は新庄剛志監督の采配について「言っている内容も監督として発言していい内容かな？とそういう感じはします」と指摘し「楽しめばいいんだとか。そうでなくて、勝たなきゃいけないということをもうちょっと強調していかないと、選手、球団、全体的にファンも含めなんですけど、それでいいの？とクエスチョンマークをついている空気を作っちゃうとマズイなと」と疑問を投げかけていた。

新庄監督が2月末に出版した自著「スリルライフ」（マガジンハウス）に「チームプレーはいらない」「徹底的に個人プレーにこだわってほしい」と書いていることにも触れ、こう続ける。  「ただでさえ貧打なのに、唯一計算できる近藤を使わない。打順はキテレツだし、『進塁打を狙うな』と言い、得点の確率を自ら下げています。

　試合後、新庄剛志監督は「１５１キロのフォーク打てるか！　初めて見た。打席の中で遊ぶくらいの気持ちじゃないと当たらん。（カウントを稼ぐ）ファウルの打たせ方もうまい」と、相手エースに降参の白旗。それでも「点を取る雰囲気はあったけどね。あと１本、それが難しくて面白いところなんだよ」と、得点機までは築いた自軍の打線も評価した。  　満を持して今季初先発マウンドに送った伊藤については「安定感があった。タラレバだけどあの回（失点した３回）がなかったら面白い勝負になっていた」と、粘り強い投球をたたえた。

　練習試合やオープン戦から、走者がいない場面でも外野陣に全力返球を課してきた成果が出た２補殺。試合後は直接取材には応じなかったビッグボスは、球団広報を通じて「今川くん、松本くん、守備の連携が少しずつ成長してきている。これを続けていけば必ずいい方向にいく」と好守を評価した。

試合後は「あと５ぐらい負けてもよかった」と笑い飛ばし、開幕１０連敗ぐらいを想定していたと明かした。結果が出ないことで世間の風当たりも強まっていたが、ようやく船出となった新庄ファイターズ。

「ストーリーはこれからですよ。こういうこと（５連敗）がないと後につながらない。これは大事なことであって、シナリオとしては最高じゃないですか」

監督業は激務。ビッグボスの場合はさらにパフォーマンスも加わる。30日の試合後は珍しく取材に応じなかった。心身の疲れが伝わったのか、周囲からは「食事をきちんと取ってください」と心配されたという。  　
新庄監督は「元々食が細い。心配かけないように、栄養を取るようにしているよ」と苦笑い。この1勝が何よりの活力源になりそうだ。