カテゴリー: 野村佑希

　日本ハム・野村佑希内野手（２３）が２軍戦に「３番・三塁」で先発出場。２本のアーチを含む３安打５打点と大暴れし、１軍再昇格に向けて猛アピールした。  　豪快に復活の狼煙（のろし）を上げた。１点を追う３回１死二塁。野村はＤｅＮＡのドラフト５位ルーキー・石田裕の浮いたシンカーを完璧に捉えた。打った瞬間に確信した当たりは、左翼の防球ネットを突き破るような勢いで着弾。「カウント３―１からしっかり狙い球を絞っていけた」と文句なしの逆転１号２ランをたたき込むと、３点リードの６回２死二、三塁では右腕・京山の低めカットボールを左中間席へ運んだ。

日本ハムはソフトバンクに競り負け、19年以来の単独首位浮上はならなかった。  　打線は初回の万波の2号左越えソロや3回の郡司の今季1号左越えソロなどで得点を加えたが、4回以降は1安打と沈んだ。  　特に、「8番・DH」で出場した野村は2打席無安打で打率・077と深刻な不振に陥っている。  　新庄監督は試合後、「もう一回ファームの方で打席を重ねて、良い状態の野村君になってほしい」と語り、2軍降格が決まった。代わって左大腿部筋膜炎が癒え、2軍で調整していた上川畑が昇格する見込みだ。

　今季のオープン戦では、野村は変化球に対して23打数8安打。3月16日の巨人戦では、1ボール2ストライクからグリフィンのナックルカーブをはじき返すなど、8本中4本が追い込まれた状況からのヒットだった。昨季の課題を克服しつつある。  　チームでは昨季、ドラフト同期の万波中正外野手が終盤までタイトル争いを繰り広げるなど飛躍のシーズンを送った。その万波に4番を譲るなど、悔しい経験もした。今季は安定したバッティングを見せ、主砲の座を守り抜きたいところだ。花咲徳栄高からドラフト2位指名で入団した23歳の若きスラッガーの進化に、注目していきたい。