英政が帰宅する時間も迫っていた。
「色々と一平のことをメディアに書かれたけど、書かれたことは100%本当ではないっていうのは言っておく。違うことがいくつかあります。なんでこういうふうになったんだって。一平個人のあれだから、俺もこれ以上は喋れない。まあゆっくり考えて」
そう言い残して英政は車にエンジンをかけ、走り去っていった。
ドイツはWBC本大会初出場を目指し、3月2日からアリゾナ州ツーソンで予選を戦う。
アガシ氏とグラフさんは、キャリアを通じてグランドスラムのタイトルを追い求め、2人合わせて30回の優勝を果たした。一方、息子のジェイデンは、両親の足跡をたどるのではなく、野球を選んだ。
――イチローさんが指導に出向く高校生もしばしばメジャーリーガーのマネをします。チームとしてもデータを積極的に集めるなど、かなりの影響を受けています。そういうことをどう感じていますか。 「データを重視する野球に対しての考えも『イチローの考え方は古い』と思っている人が相当数いると思いますが、正しくは『前に戻ってほしい』ではなくて、『どうしてみんなで同じことをやってるんだ、もっと先へ行けよ』という気持ちなんです。同じことをやっていると、新しいようで古くなってしまうものです。サヨナラヒットを打った人にドリンクを掛ける光景はよく見ますよね? でもね、みんながやり出したらその時点で新しさはなくなる。謎のポーズを決めてどのチームも楽しそうにやっていますが、何もしないほうがクール、という発想はないんですかね。個性を見たいのになぁ……みんな一緒だと安心するんですかね? トレンドのど真ん中にいるのはすでに古い、と感じられたらちょっとは変われるのにね。憧憬の眼差しで子どもたちから見られていることも意識してほしいです」
「イベントの場のみならず、普段の取材の場においても大谷の話題になると途端に口を重くなりがちなのは確かです」 とは米特派員のひとり。
日本人メジャーリーガーが大谷について口ごもるのはなぜなのか。CS放送などで大リーグ中継の解説を務める評論家の斉藤明雄氏はこう推察する。
「日米での実績が十分なイチローや松井でも、投打の二刀流を高いレベルでこなす大谷は異次元の存在と捉えているはずです。当然、二刀流の経験がないだけに、軽はずみなことは言わないよう、自重しているのでしょう。現役選手にしても、今永のように同じナ・リーグのライバル球団の選手に関して必要以上に話したくないし、そもそも同じメジャーリーガーである以上、他の選手に関して聞かれて面白いはずがない。今や時の人である大谷について軽々しくコメントすることで、SNSなどで炎上するのを避けたい面もあるのではないか」
プロ野球取材の現場でも、テレビ局の番記者が選手との会食の席に女性アナウンサーを参加させることは珍しくなかった。
民放テレビ局のプロ野球担当ディレクターが証言する。
「チームの顔となる選手にはインタビューをお願いする機会が多く、距離を縮めることで他のテレビ局と差をつけられる。僕も選手に言われて、女性アナウンサーを呼んだ時もありました。その時は食事をした後にカラオケに行って連絡先を交換していました。女性が嫌がっているようには見えませんでしたが、今回の報道で女性アナウンサーの気持ちを考えるようになりました。選手と会えたらうれしいだろうなと思っていたのはこちらの勘違いだったかもしれないし、本当は連絡先の交換はしたくなかったかもしれない。選手に機嫌良くなってもらうために『接待要員』として会食に呼んでいた感覚がゼロだったとは言えない。そこは反省しています」
今後、選手との会食に女性アナウンサーを連れていきにくくなることは間違いない。
エースが「野球にたとえると?」と聞くと「プロ野球とメジャーリーグくらい違います。まず、スケールが違います。単純に考えたときに、高校生に戻って、7科目勉強したいか、3科目でいいか、と言われたら、3の方が楽だと思いません?」とくるま。